たまねぎの憂鬱 ー聖地サンティアゴへの巡礼路2016ー

慶應卒なんちゃってエリートOLが仕事と恋愛をほったらかして800KMスペイン・サンティアゴ巡礼の旅!

Perfect Humanになりたい君

私の彼はすーぱー嫌な奴。

 

ほんとこういう男、一番嫌いだわってタイプ。

 

とにかく、おっとりしていて、誰とでも分け隔てなく接することができるし、怒ったり声を荒げたりしない。(淡々と理詰めな。私もあんまり感情的にならないから絶対ケンカとかない)

 

いつも笑顔だし、しゃべり方も柔らかで、綺麗な顔してる。

 

でもね、みんな騙されてるのよ。

  

出会った時、正直恋愛対象とかではなかった。

 

話していても、彼は、私に話をさせるのがものすごく上手くて、私はいつもの自分のポジションを取られていて、居心地があまり良くなかった。

 

「たまねぎちゃんは、選民意識が強いね」

 

すべては、この一言からだった。

 

選民意識という単語を日常でナチュラルに使う人に初めて出会った瞬間である。

 

この単語のチョイスで私は一気に彼に興味が湧いた。

 

私は、もうこのフレーズがツボすぎて、今思えばキラーフレーズだったのかもしれない。

 

「この人、すっごく爽やかで優しそうだけど、絶対性格悪い」

 

そう確信した。その爽やか仮面を剥がしたくなった。

 

面白くて、笑いが止まらなかった。

 

「なんでそんなに笑ってるの?」彼はそう聞いて私は用いる単語が面白くてと適当に答えながらも、どうして彼が私に向けてその言葉を放ったのかを考えた。

 

結論、自分が言ったことを客観的にどう分析しても「選民思想」に繋がらなかったのである。

 

こうなると、自分の分析が間違っているか、彼と私の間で単語の定義がおそらく異なっていると考えたので、「あなたの方が、選民思想が強いと思うの。自分は特別でしょ?」と聞いてみた。

 

すると彼は「そうだね、僕は人口0.1%以下の人間かな」と軽く酔っ払いながら笑って答えた。

 

こいつ、マジか。

 

そう思った。

 

「私は自分のことを一度たりともそんな風に考えたことない。なんで私にそう言ったの?」と聞くと、彼は

 

「死ぬほどプライドが高そうだったから」と笑った。

 

「プライドが高いのと、選民意識は違うでしょ」というと、彼は私の分析法とは違った角度から私の言動を因数分解した。

 

そして、「この人、嫌い」と思いながらも、涙が出そうなくらい笑った。

 

「わかった。じゃあ、私がそうだったとしても、あなた程じゃない」と言うと、「度合いの問題じゃないよ」とゲラゲラ笑っていた。

 

彼の会話の節々にそんなものが散りばめられている。「友達なくすよ」と笑って言うと「たまねぎちゃんだから赤裸々に話してるんだよ。だって君は、そういう男が好きでしょ」と言われた時、

 

「ううん、私はハイスペが好きなんじゃない。努力しないで文句だけ言ってる人がつまらないし嫌いなだけ。」というと「努力して報われなかった人でも、いいの?」とニヤつくので

 

「もちろん、それに私がそう。人生努力したって報われなかったことだらけ。いや、足りなかったのかな。諦めたのかも。あなたは手に入れたから、そうやって自信が持てるのね」というと「君のレベルで報われなかったって言っちゃったら、世の男はどれだけ努力すればいいんだよw」と刺されてしまった。(そんなこと、知ったことじゃない。)

 

こんな会話を何時間もしながら「この男は本当に性格が曲がってる。なんでも手に入ると思ってる。絶対に口説かれない」と心の中で思っていた。

 

私はお酒がものすごく弱いのだけど、この日は強かった。頭をフル稼働していたからかもしれない。

 

きっとこんな男が好きな女は腐るほどいるんだろう。さぞ、モテてきたんでしょう。

 

そんな女と一緒にしないで!

 

そう思った時に。「あれ?」となった。彼が言ってるのはこのことかと。このプライドかと。

 

東大?外資?タワマン?きゃー、優良物件!みたいなこと言うbitchと一緒にするなという思考は、彼女らを下に見てるんだろうか。哀れんでるんだろうか。

 

そうかもしれない。と、思ってしまった。だって絶対友達になれない。

 

男友達が合コンで会ったそんな女の愚痴を聞いた時に「そんな頭空っぽな女と呑んでもROI低くない?」とディスってた自分を思い出す。

 

ああ、うん、私も性格なかなか悪いから彼のこと気になるんだなと認めざるを得なかった。

 

「俺と結婚前提に付き合おう」と言われた時に、私も彼もそれなりに酔っ払っていたので、「今は酔っ払ってるから、時間ちょうだい」と答えた。本当に、この頭で判断できないと思ったのだ。(彼の酔い具合は見た目からはわからなかったのもある。)

 

「来週答えてくれるの?俺の気持ちは変わらないし、君の答えも決まってるのに?」と笑って言ってきた。

 

「そんな簡単に口説ける女じゃないってプライドがあるもんねー?w」と頭を撫でられた時、本当に嫌いだと思った。

 

ああ、断って、この男のプライドを踏み潰してやりたいと思ったと同時に、もう好きになっている自分の気持ちに気づいた。

 

実際付き合ったの翌週だったし、恋人関係になったのはそのまた翌週だった。彼は私のプライドを完全に立てた。

 

きっと本当はその日に付き合って彼の部屋に行ったって全然良かったのに、彼はすべてそんなことも全部見抜いていたんだろう。

 

こんな男なので、私の巡礼のこともディスってくる。

 

「たまねぎ、アルベルゲみたいなとこ泊まれるんだ」

 

は?余裕ですけどw

 

「その期間と、お金があれば、ヨーロッパを好きに旅行すればいいのに」と心から残念そうに言ってくる。

 

「そんな旅行はいつでもできるのよ」と言うと、「俺には考えられない」と言った。そしてこの後書くことは読者さまもドン引き内容だとは思う。

 

なぜなら、彼を愛してる私でさえドン引きし、頭を整理し、噛み砕いて飲み込むのに数分要したからだ。

 

近所のラーメン屋にて。

 

「その道でいろんな人に出会うって言うけど、そういう場所に泊まって歩いてる人たちと話したりして、何か楽しい?俺、そんな人たちと友達になりたいとか、全く思わないわ〜(ずるずるラーメンをすする)」

 

おー。おーおーおーおーおーおーおー。

 

まじかまじかまじかまじか。

 

ここまで歪んでるかwwwwww

 

 ちょっと箸置けーーーーーい!!!という衝動を抑えながら、私は餃子を頬張った。

 

 いろいろ考えた。

 

私に行って欲しくないからディスってるのかとか、

 

本当は自分も行きたいから、ディスってるんじゃないかとか、

 

そこで出会うだろう男性に私が惹かれないようにしたいんじゃないかとか。

 

「じゃ、じゃあさ、あなたは私みたいに休暇とれて、一人だったとしたら、何をする?ヨーロッパ周遊?」

 

「そうだね、見たいとこ旅して、途中世界中にある(自分の会社の)オフィスに行くかな。」

 

ほーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ま、みんなエリート(笑)だもんね?」皮肉たっぷりで言う。

 

「まぁそれ前提の会社だからなぁ(ラーメンずるずる)」

 

・・・・箸置けーーーーーーーーーい!wwwという衝動を抑えながら、

 

「でもさ、オフィスないとこで、ずっと、一人でいるわけじゃないじゃない?食事したり飲んだりしてたら、大体話しかけられたり、するものだと思わない?」

 

このあたりはもう私も顔の筋肉が軽く痙攣してひくついていたと思う。

 

「でもさ、それなりの店やエリアで飲み食いしてたり、ホテルにいたら、そこいる人たちも、面白そうじゃない?そういうとこで出会った人たちと話したり友達になるのは悪くないなぁ(笑顔)」

 

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ああ、この人、素で言ってるわ。

 

何の悪気もないわ。

 

「そんなこと言ってると、友達、なくすよ?(ラーメンずるずる)」

 

「言うわけないじゃんwでも、たまねぎには、わかるでしょ?」

 

いや、わかんないよ!w

 

そして、そういう考え方の人間、大嫌い。

 

 女だったら、どんな美人でも「そゆとこ、ほんとブスだよね」ってディスるだろうし、男友達だったら「あんたみたいな男と絶対付き合いたくない」って皮肉ってると思う。

 

正確には、彼の言いたいことはわかる。理解してあげれる。でもね、共感はできない。何一つとして。

 

そこまで、見下すん?ねぇ・・・

 

いい大学出て、いい仕事してないと、話す価値もないの?ねぇ・・・

 

「いい大学を出て、いい仕事してる人が好きなわけじゃなくて、総じて話していて俺が面白いと感じる人は、そういう人が多いだけだよ。もちろん、そうじゃない友達だっているよ。だから、じゃない?あまりに違うと共感とかできないしさ。(ラーメンずるずる)」

 

私、この人と結婚していいんだろか、と思ったwまじで。

 

「じゃ、じゃあさ、私がさ、例えば専門学校とか短大しか卒業していなくて、フリーター生活だったら、好きになってくれてないんだ?外見も中身も私のままよ?自分で頑張って色々勉強してて、あえてそういう進路を選択しただけだったとしても、私は話す価値のない女?」

 

「話したら、好きになってると思うよ」

 

あ、よかった。と、思った次の瞬間

 

「でも、そもそも出会ってないだろうね。」

 

あー、うん、そうだね(苦笑)

 

「たまねぎが慶大に行ってなければ、共通の友人もいなかっただろうし、そもそも話す機会がないよ。それに中身が同じって言っても、やってる仕事が違ったら、話聞いてても面白いって思わなかったかもね。それはもうたまねぎじゃないよ。だから仮定が成り立たない。」

 

 あー、うん、そうだね(白目)

 

「私、あなたのそういうとこ、大嫌いです」って言ったら「よく言うよw」って笑ってたけど、

 

マジだから。

 

ほんと嫌な奴すぎてやばい。

 

でも、誰にでもニコニコ、八方美人。敵を作らないタイプ。

 

みんな、騙されてるんだ。この男、すっごい性格悪いのよ。

 

それでもってめっちゃ腹立つのは、私がそれに共感できると思ってるとこな。

 

同類に括ってるとこな。

 

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価値観の違いって凄まじいパンチ力だなと思う。

 

モーセが通れちゃうくらい、ドン引きしたわ。

 

この人はきっと私を自分のフィルターにかけたんだ。「経歴、学歴、仕事」それをクリアしてから「外見」「性格」ときているんだ。

 

面接か!!w

 

でも、顔やスタイルだけで女を選ぶ男なんて腐るほどいるし、

 

女だって収入や仕事で男性をみる人は多い。

 

だから、それの何が悪いってわけじゃないけど。

 

彼は私と出会った瞬間に恋に落ちたわけじゃなかったんだな。(うん、いいよ別に。そんな美人じゃないし。)

 

それに、じゃあもし彼が中堅大出てて、普通の日系サラリーマンで、同じ性格でこんな選民主義だったら、食事の途中で席立ってると思う。

 

腹立てて、ドン引きしながらも、隣で笑っていられるのは、彼が単に天才なんじゃなくて、努力の人だって知ってるから。彼は、「俺天才だから」って笑って言うための努力を惜しまない人。

 

彼の部屋の壁一面の本。積み上げられたノートを開けば、英文で真っ黒。添削の赤ペン。プロジェクトで睡眠時間を確保できなくて、眠りそうになってる金曜日のデート。

 

私の努力なんてゴミだなってくらい、彼はストイック。だから、そうじゃない人を、きっと彼は見下してしまうんだろう。

 

でもね、最近になってわかったことは、努力できるって、もしかしたら才能なのかもしれない。そして、大半は中毒者であるのが、持論。

 

なりふり構わず、欲しいレベルまで自分を高めることに快感を覚えないと、勉強も仕事もスポーツもきっと上達しない。その快感に中毒になると、人は周りに「それくらいで充分」とか「2位じゃダメなの?」と言われても、ひたすら走り続ける。

 

その快感は極上だったりする。でも、すぐに慣れてきて、また新しい刺激のためにさらに上を目指す。その快感に興味のない人が理解できなくて、「自分とは違う人種」として彼は関わりたがらないんだろう。

 

私は、その快感・刺激といった特殊な感覚を知らなければどれだけ豊かで幸せな人生を送れただろうと思うことがある。

 

ジャンルは色々ある。ある人はそれが恋愛かもしれない。アラサーとか美人がなかなか結婚できなかったりするのは、未来の旦那が過去の彼氏を超えてないと嫌という感覚だったりする。妥協できないのだ。

 

転職だと、きっと人は前の職場環境や給料と比較してしまう。いい給料をもらってた過去があると数万でも下がることに耐えれない。

 

人は過去に自分が得たものと必ず現在を比較してしまうものだと思う。

 

一度知った感覚は消せない。

 

海外旅行や旅にはまってしまう人も、一種のそれだ。

 

旅に出ずにはいられなくなってしまうという中毒に陥ってしまうのだ。

 

「充分素敵な彼氏じゃない」「高い給料オファーだね」「もう十分に世界中旅行したでしょ」

 

他人に何を言われようとも、本人には何も響かないのだ。「知ってしまった人間」の感覚は「知らない人間」には絶対に理解できない。

 

努力もそう。「充分すごいよ」と言われても、そんなことはわかっているのだ。「足りない」という感覚は前に得た快感と同等もしくはそれ以上の刺激を求めているから。

 

このループに陥ると、やめることは「妥協」となる。周りが嫌味かと舌打ちしたくなるレベルであっても、本人にとっては妥協なのだ。

 

一度、知ってしまったのだから仕方ないのだ。

 

「知らなかったら、幸せだったのに」

 

でも、知った幸せを宝物にするには、続けるしかないのである。

 

いいパートナーに出会い愛してもらう、高い給料をもらえるスキルが欲しい、世界を旅する準備に勤しむ、レギュラーでい続けて結果を出し続ける。

 

理解してくれない他人なんか気にしなくてもいいのだ。彼らは「知らない」のだから。

 

それを掴みとって、また刺激を求める、こういうタイプの人間はなかなか自然に止まれない。特に人生とは何かという境地に至っていない若いうちは、「妥協」という言葉でしか、足を止めれないのだ。

 

月800万の給料がどんなに凄くても、以前月に1200万稼いでいたら、本人にとっては単に「まぁいいか」では済まない。給料が34%もカットされたのだから、それで手を打つのはかなりの妥協だ。でも年収800万の人が聞いたら「は?」と眉間に皺を寄せてしまうのも、仕方ない。

 

そして、その足を止める「妥協」ができる人とできない人がいる。私はできる部類だ。その快感を知っていても、足を止めれる。まだ中毒者としては軽度なのだろう。

 

彼は、止まれない人なのだ。少なくとも、まだ。

 

私はそんな彼を愛おしく感じる。私がいけない境地まで、どうかガンガン上り詰めて永遠に妥協しないで欲しいと思う。

 

だから、腹立たしい発言を連呼されても、私は彼を受け入れられる。人を見下すのは良くない。嫌い。

 

でも彼は快感や刺激だけでなくて、きっとそれを逆に人に翳されるのが怖いという反面もあるからあれだけ努力できるんだろう。「お前そんなもんか」「話す価値ない」「一緒に仕事したくない」そう思われないためにも彼はきっと登っているんだ。

 

それでもいいんじゃない、と思う。私が何を言ったって彼は変われない。彼はそういう考え方をする人間がいることやその思考の持ち主の気持ちを「知っていて」、自分は絶対にそう思われたくないのだから。

 

この前、そんな彼が朝方YOUTUBEを見ていて、思わず吹き出してしまった。

 

オリラジのPERFECT HUMAN。

 

あなたにぴったりね。

 

全く理解できない、巡礼の旅に出るクレイジーな彼女をどうか愛想尽かさずに待っててね。

 

努力したから、こんな旅ができるのよ?が私の彼に対する精一杯の反撃。

 

「そうだね」と笑ってくれる彼。私が親のお金で旅行したり、全てを投げ出して旅に出るような女なら、彼はきっと離れていっただろうな。

 

私ぐらいしか、あなたのこと理解できないよ。なんてね!!

 

youtu.be

 

なんだかんだ彼が好き、たまねぎでした。

 

 

 

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